【翻译】坂口安吾《暗い青春》(2)

《黑暗的青春》

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文/坂口安吾

译/月海

    

    那时一起做同人的同好们中,有三人已经去世了。第一个死的是根本君。他曾寄给葛卷一张绝交的明信片。在那前一夜,我们几个同好聚集在根本君的公寓里。他的公寓在九段下,因为离我们聚会的三崎町的Athen Francias很近,我们就大摇大摆地进了他家。那时他不在家,公寓管理人给我们开了门,我们打算聊一聊杂志的事情。公寓里很冷,我从纸拉门后取出了根本君的被子,让葛卷盖上它。就在这时,根本君回来了。我们回去后不久,就收到了绝交的明信片。

    

    虽然明信片上写了绝交的理由,但葛卷看不懂为什么,我至今也没看懂。怎么可以擅自闯进别人家里呢?怎么可以随便动别人的被子呢?根本君有肺病。他是公务员。他总是无力地咳嗽着,脚步沉重地走着,是个阴郁又一本正经的人。他既没有笑容,也几乎不主动和人搭话。在那之后不久,根本君就去世了。

     

    根本君究竟被什么激怒了?他究竟在向谁发怒?我并不想知道答案,也没有知道的必要。反正,人终归是歇斯底里的。人们经常降怒于关系亲密之人,而这愤怒的悲哀,与人悲哀的姿态又何其相仿。无力地咳嗽着、沉重地拖着脚步的根本君,也许常常把更大的怒火埋藏在心里。至于这怒火究竟指向谁人,根本君自己说不定也不知道。唯一可以确定的是,这份怒火不是针对葛卷的。它一定与根本君的青春有关。

    

     第二个死掉的是脇田君。他曾是三田的学生。他患有佝偻病。世上像他一样性格毫不乖张的残疾人可谓相当少见。我们在办剧团时,他笑嘻嘻地说,我能演的只有《巴黎圣母院》了。他又阳光又爽朗。他的葬礼举行于世田谷的一家遥远寺庙。我当时迷了路,在田间小道晕乎乎地绕来绕去,结果葬礼都结束了。我见到了从寺庙踏上归途的诸位同好。那天天气很好。田间小道安谧平和。我开始庆幸自己没有找到寺庙。我挠挠头,感觉自己仿佛看见了升天而去的脇田君的面容。“果然还是死掉了”,他苦笑着说,“再见。请保重身体。”他戴着三田的学帽。再见了,脇田君。

    

    战时,轰炸的第二天早上电车没通。我在走去东京的途中,途径大森时听见了空袭警报。那时,忽然有个人从他家里探出头来打算叫住我。他也有佝偻病,他的年龄也与脇田君逝世时的年纪相仿。他那张佝偻病患者特有的苍白的脸上,浮现着宁静的微笑。

    

    “似乎只有一架飞机。”

    

    他的笑容仿佛在告诉我,请放心吧。

    

    “别客气,用我家的防空洞吧。”

    

    脇田君曾在大森的木原山居住。自不待言,我想起了他的事来。他那温暖的心与温柔的灵魂让我感激不尽。我心中也仿佛变得温暖了起来,陷入了短暂的恍惚中。我逃也似的飞快离开了。

    

   

    第三个是長島萃。

    

     我是他唯一的朋友。他似乎与其他人都没有亲密的交情。对于志在文学的青年来说, 芥川龙之介自杀的房子不可谓不特殊。但他却对此兴致缺缺,散发着不被外界左右的气质,他好像也只来这个家参观了一次而已。

     

    他经常自杀,然后自杀失败。他大概患有遗传梅毒,每当陷入周期性的精神错乱时,就会尝试自杀。上吊自杀绳子却断了,被人发现昏在地上;喝了致死量以上的药,却又被救活了。每一次,他都会给我写遗书。后来,他发疯了,最终死于脑炎。

    

    我觉得,长岛的自杀,说不定是对我的抵抗。他在与我斗争。但他是在与我的影子斗争。他把一些更高更深的东西投影在真实的我之上,然后,与这些影子斗争起来。他死后只留下了翻得陈旧的法语书。这本书里到处写着他的感想,其中有一些与这本法语书的内容毫无关联的话。“安吾不是一个迷(enigma)。”“安吾是怕死的。但是他知道,知识不是用来解开心结的,而是用来织就心结的。”“苦恼可不是食欲啊,安吾。”

    

    我不知道最后这句话究竟是什么意思。他曾经拿着让·古克多(Jean Cocteau)的《波多马克》到我家来找我。

    

    “读过这本书了吗?” 

    

    我点点头。因为葛卷熟读了许多古克多,我曾借了他的书来读。

    

    “也挺好笑的啊。反正你天生就不会反胃,所以吃什么都可以啦。可是,你自己却并不是毒物。你当然也不是一条蝮蛇啊。(译注:日语里蝮蛇也指坏人)”

    

    他的笑脸很悲哀。我没能理解他说的话。但是,我不认为我有必要像他看我一样看自己。我只是沉默无言地面对他罢了。

    

    有次他又自杀失败了。在被救活过来之后,他重获健康,出现在我面前。我生气地对他说:

    

    “自杀所能给你的,只不过是微不足道的优越感罢了。真是可笑。”

    

    我至今都没能忘记他寂寞的脸庞。

    

    “我知道的。但是,我做不到啊。”

    

    但是,做不到啊。这是指他周期性精神错乱的事情吗?似乎不只是这个意思吧。他畏惧着我这样的人,可他没有抵抗我的必要。他向我身上投影的,究竟是他的什么呢?可我觉得,其实每当陷入精神错乱时,他对我的抵抗总会加速他的死亡。安吾不会死,但无论如何,我还是会死。就像这样。

    

    他临死时,住在精神病院的一间病房里。他屏退家人,躺在枕头上,只喊我一个人来。“给我去死啊,”他对我说,“我要是活着,你也死不了,”他还说,“你不敢自杀吧?我要是死了的话,一定会叫你来的。一定,会叫你。”他的眼中满溢着疯狂的杀气,眼神闪闪发光。那模样骇人极了。他的精神正在喷火。灼热的熔岩仿佛正在向我迫近一般。“你害怕了吧?你害怕了”,他拼命地喊叫着。

    

    他为什么要说到这个份上?他本不该说到这个地步的。我确实害怕了。我感到压倒性的宿命,会被他杀死的宿命。但是,当他喊出“你害怕了吧”的时候,我却重获一丝从容。我反射性地傲慢地回答道,“当然了。”然后我竭尽全力,向他怒目而视。

     

    他的脸上出现了深深的失望之情。然后,他也陷入了沉默。

     

    但是,我确实畏惧着他死后的幽灵。可他的幽灵从未造访于我。他的心其实是柔和的。他对我的友情充满了无限的爱。想来,直到死前喊我的名字,并计划出这种奇怪又古老的诅咒为止,他应该都是想要狠狠揍我一通,让我一辈子也忘不掉他这顿痛打的吧。他就是这样的人。成了真正的幽灵之后,连打我一拳这样心心念念的热情也没了。出其不意攻其不备,我有过制造这种闹剧的经验。他为这闹剧赌上了自己的悲愿,赌上了自己喷火般的气魄与热情,可他未必知道,这只不过是一场闹剧罢了。我常常感到悲哀。他的自杀也同样是一场闹剧。在他生命终结之时,他的幽灵没有出现。他最后也只不过向虚空中吐出了一句苍白空洞的话语而已。闹剧结束了!闹剧即是他的一生。

   

   

(未完待续)

   

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【原文】

  

 あの頃の同人では、あの頃のうちに、もう三人、死んだ。一番目が根本君。彼は葛巻に絶交のハガキを送つたことがあつた。その前夜、根本君のアパートへ同人が集つた。そのアパートは九段下にあり、私達のたむろする三崎町のアテネ・フランセから近かつたので、彼の不在の部屋へあがりこみ(管理人から扉をあけてもらつて)何か雑誌の相談をしたのであつたと思ふ。寒かつたので、押入から根本君の布団をだし、それを敷いて葛巻が、布団をかぶつてゐた。そこへ根本君が帰つてきた。絶交のハガキは我々が帰つたあとで、直ちに書かれたものゝやうであつた。

 ハガキには、絶交の理由は分るでせう、と書いてあつたが、葛巻は分らぬといひ、私も亦、今もつて、分らない。無断で上りこんだのがいけないのか、布団を敷いたのが、いけないのか。根本君は肺病だつた。官吏であつた。力のないセキをしながら、いつもトボトボ歩いてゐる陰気なマジメな人であつた。笑ふこともなかつたし、殆ど、話をしかけるといふこともなかつた。そして、根本君は、まもなく死んだ。

 根本君は何を、なぜ、怒つたか。私はそれを知りたいとは思はない。知る必要もないではないか。どうせ、人は、ヒステリイなんだ。怒りは常に親しい者に、そして、怒りの悲しさは、何とまあ、人の悲しい姿そのものであらうか。力のないセキを落しながら常にトボ/\たゞ俯向いて歩いてゐた根本君は、大いなる怒りが、常に又、その胸に秘められてゐた筈だつた。何ものに向けられた怒りだか、根本君すら分らなかつた筈だ。たゞ、葛巻に向けられた怒りでなかつたことだけは、たしかだ。それは、根本君の青春だつたに相違ない。

 二番目は脇田君。彼は三田の学生であつた。セムシであつた。こんなヒネクレたところのない不具者は珍しい。私達が劇団をつくらうとした時、彼は笑ひながら、俺にできるのはノートルダムだけだ、と言つた。彼は明るく爽やかであつた。彼の葬儀は世田ヶ谷だかの遠い寺で行はれ、私は道に迷ひ、田舎道をぐる/\歩き廻つてゐるうち、もう葬儀が終り、寺をでて帰路を歩いてくる同人諸君に会つた。うらゝかなお天気。おだやかな田舎道。私はお寺を見つけずに却つて良かつたと思つた。私は頭をかいて、やつぱり死んぢやつた、と苦笑しながら昇天して行く脇田君が見えるやうな気がした。サヨナラ、と言つてゐる。御達者で、と言つてゐる。三田の学帽をふつてゐる。サヨナラ、脇田君。

 私はこの戦争中、爆撃の翌朝、電車が通らないので、東京へ歩く途中、大森で警報がでた。そのとき、家から顔をだして、立ち止つて思案してゐる私に呼びかけた人があつた。セムシであつた。脇田君の死んだ頃と同じぐらゐの年配だつた。セムシ特有の蒼白な顔に、静かな笑顔があつた。

「単機ださうです」

 御安心なさい、といふ笑顔であつた。

「うちの防空壕を御遠慮なく使つて下さい」

 脇田君は大森の木原山に住んでゐたのだ。私が彼を思ひだしたのは言ふまでもない。あたゝかい心と、やさしい魂が私の心をみたしてくれた大きな感謝に、私はほてるやうな気持で、暫くは夢心持で、逃げるやうに道を急いでゐたものだ。

 三人目は長島萃あつむであつた。

 彼にとつては、私だけが、唯一の友達であつたやうだ。他の誰とも親しい交りをほつしてゐないやうだつた。文学を志す青年に、芥川龍之介の自殺した家が珍しくない筈はない。彼は然し、さういふ興味にテンタンで、雰囲気的なものなどに惹かれることのない気質のやうで、この家を訪ねたことは一度だけ、たしか、さういふ話である。

 彼はよく自殺して、しくじつた。彼はたぶん遺伝梅毒だつたと思ふ、周期的に精神錯乱し、その都度自殺を試みる。首くゝりの縄が切れて気絶して発見されたり、致死量以上の薬をのみすぎて、助かつたり、その都度、私のところへ遺書がくる。最後に発狂し、脳炎で死んだ。

 私は長島の自殺が、いはゞ私への抵抗ではないかと思つた。彼は私と争つてゐた。然し、私の影と。私が真実あるよりも、彼はもつと高く深い何かを私に投影し、そして、私と争つてゐたやうだ。彼の死後、手垢にまみれたフランスの本だけが残された。その本のあちこちに書かれてゐる彼の感想、その中に凡そフランスの本自身とは縁のない言葉が現れてくる。「安吾はエニグムではない」「安吾は死を怖れてゐる。然し彼は、知識は結ひ目を解くのでなしに、結ひ目をつくるものだと自覚してゐるから」「苦悩は食慾ではないのだよ。安吾よ」

 この最後のは、どういふ意味なのだらう。私には分らない。彼はいつかコクトオのポトマックをぶらさげて、私のところへ現れてきたことがある。

「読んだかい、この本?」

 私はうなづいた。葛巻がコクトオの熟読者だから、私も彼の蔵書をかりて、読むことがあつたから。

「笑ひだしてしまつたのだ。君はヘドが吐けないたちぢやないか。君は何をたべても、あたらない。然し、君自身にも、毒はないね。君は蝮まむしぢやないね」

 彼の笑顔はせつなさうだつた。私は彼の言葉が理解できなかつた。然し、彼が私に就て考へるやうに、私が私に就て考へることの必要を認めてゐなかつたので、私は彼に対しては、たゞ、黙殺、無言でゐるだけだつた。

 私は彼が自殺に失敗し、生き返り、健康をとりもどして私の前へ現れたとき、思はず怒つたものだつた。

「自殺だなんて、そんなチャチな優越が。おい、笑はせるな」

 彼の淋しい顔は今も忘れられない。

「知つてゐるよ。然し、ダメなんだ。俺は」

 然し、ダメなんだ、俺は。それは彼の周期的な精神錯乱のことであらうか。その意味だけではなかつたやうだ。彼は私ごとき者を怖れ、闘ふ必要はなかつたのである。彼が私に投影してゐたものは、彼の何であつたのか。然し、彼は、その錯乱のたびに、私への抵抗から死へ急いだことは事実だと私は思ふ。安吾は死ねない。ともかく、俺は死ねる、といふことだつた。

 彼の死床へ見舞つたとき、そこは精神病院の一室であつたが、彼は家族に退席させ、私だけを枕頭によんで、私に死んでくれ、と言つた。私が生きてゐては死にきれない、と言ふのだ。お前は自殺はできないだらう。俺が死ぬと、必ず、よぶから。必ず、よぶ。彼の狂つた眼に殺気がこもつてギラ/\した。すさまじい気魄であつた。彼の精神は噴火してゐた。灼熱の熔岩が私にせまつてくるのではないかと思はれたほどである。どうだ。怖しくなつたらう。お前は怖しいのだ、と彼は必死の叫びをつゞけた。

 彼はなぜ、そこまで言つてしまつたのだらう? そこまで、言ふべきではなかつた。私はたしかに怖しかつたのだ。私は圧倒され、彼に殺される宿命を感ぜざるを得なかつたのである。然し、お前は怖しくなつたらう、といふ叫びは、私にともかく余裕を与へた。私は反射的に傲然と答へてゐた。あたりまへだ、と。そして私は全ての力をこめて、彼を睨んでゐた。

 彼の顔に、にはかに、激しい落胆があらはれた。そして、彼は沈黙してしまつた。

 けれども、私は、彼の死の瞬間の幽霊を怖れてゐたものである。然し、幽霊の訪れはなかつた。彼の心は柔和なのだ。彼の私への友情は限りない愛によつてみたされてゐた。思へば彼は、その死床に於て、私をよぶ、といふ奇怪に古風な呪縛のカラクリを発案してまで、私をへこませ、一生の痛打、一撃を加へずにゐられぬ念願があつたのだらう。彼はさういふ男であつた。真実幽霊となつて一撃しうるひたむきな情熱はない。それをカラクリに一撃しようとする茶番の心得はあつた。その茶番に彼の悲願が賭けられ、噴火する気魄と情熱が賭けられてゐても、それが茶番であることを彼自身も亦知つてゐた。常に悲しく知つてゐた。彼の自殺も同じ茶番であつたのだ。その一生の終るとき、彼の幽霊は私を訪れる代りに、蒼ざめた唯一語をむなしく虚空に吐きすてゝゐた筈であつた。茶番は終つた! と。茶番は彼の一生であつた。

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*第一次挑战翻译长文章。水平有限,请不吝赐教。

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